冊子の基礎知識(その12:本文の印刷)
無線綴じ製本の場合
もくじ
① 本の各部の名称
② 本に関する用語
③ 本のサイズ
④ よく使われる用紙とその色
⑤ インキの刷り色(特色)
2. 表紙について
① 本体表紙の用紙
② ソフトカバーとハードカバー
③ カバー・帯・PP加工
3.本文について
④本文の印刷
本文の印刷は、印刷物の仕様により「オフセット印刷」、または「オンデマンド印刷」で印刷されます。
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印刷部数で選ぶ
大雑把に言って、少部数はトナー方式のオンデマンド印刷、中部数は軽オフセット印刷またはインクジェット方式のオンデマンド印刷、大部数はオフセット印刷が適しています。
少部数とは1~300部。中部数とは500~1000部。大部数とは2000部以上が目安となります。
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印刷料金で選ぶ
一般的には印刷料金は以下の順序となりますが、上記の部数との関係も考慮する必要があります。たとえば、トナー方式のオンデマンド印刷が安いからと言って500部以上のものの場合には軽オフセット印刷やオフセット印刷が安く上がります。また、少部数のカラー印刷をオフセット印刷で行えばオンデマンド印刷より高くなってしまいます。要は適切に印刷方式を選択する必要があります。
安い ⇔ 高い
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品質で選ぶ
品質で選ぶとは、その印刷物の内容が何であるかにもよります。例えばカラーの写真集のような印刷物は写真の再現に気を使った印刷でなければなりませんし、文字だけのテキストのような印刷物は長期保存性や文字の再現性はそんなに考慮しなくてもいいでしょう。しかしながら、最近はオンデマンド印刷も印刷物の内容と用途を適切に選択し、適切な用紙を選択すれば、オフセット印刷とそん色なく仕上げることができるようになりました。
通常品質 ⇔ 高品質
「オフセット印刷」は、印刷機に版(PS版)を装着して、オフセットインキで印刷します。機械が大型で高速で印刷しますので、大量の印刷物に向いています。オフセット印刷でも「軽オフセット」と呼ばれるものは、機械が小型で版も紙版(ダイレクト版)を使用します。おもにモノクロ印刷で中小ロットの印刷物に向いています。
「オンデマンド印刷」は、トナー方式とインクジェット方式があり中小ロットの印刷物に向いています。トナー方式は事務機用のコピー機と同じ方式ですが、業務用に機械の堅牢さや安定性、色の再現性に留意した作りになっています。インクジェット方式は、トナー方式より機械が高価で維持費も高くつきますがオフセット印刷とそん色ない出来上がりになります。
また、オンデマンド印刷にはオフセット印刷とは違った特徴があります。「版」を必要としないということと、元データに従って違うページを順番に印刷することができるということです。このため、極小ロットやバリアブル印刷が可能となります。ただし、オフセット印刷機に比べて適合する用紙は限られます。
「冊子印刷オンラインショップ」では、本文の印刷は「モノクロ」、「モノクロとカラー混在」、「フルカラー」からお選びいただけます。
標準では、200部以下はオンデマンド印刷、それ以上はオフセット印刷(軽オフセットも含む)となります。印刷方式を変更したい場合はご相談ください。
*「らくらく自動見積」では無線綴じでは1部~200部がオンデマンド印刷、201部から500部がオフセット印刷となります。それ以外はご相談ください。
⇒次回は、「⑤オフセット印刷とオンデマンド印刷、ハイブリッド印刷とは」。