冊子の基礎知識(その1:本の各部の名称)
無線綴じ製本の場合
もくじ
① 本の各部の名称
② 本に関する用語
③ 本のサイズ
④ よく使われる用紙とその色
⑤ インキの刷り色(特色)
2. 表紙について
① 本体表紙の用紙
② ソフトカバーとハードカバー
③ カバー・帯・PP加工
1.冊子の基礎
①本の各部の名称
冊子の各部分に使われる名称のうち製作の際によく使われる用語を取り上げました。
(無線綴じ製本についての説明はこちら)。
・カバー(ジャケット)
書籍の表紙の上にかけるおおい紙のことです。
カバーは、本体の保護のためと「本の見た目」を決定します。内容に沿ってよくデザインされたカバーは人目を引きつけます。
カバーには書名、著者名、出版社名、定価、流通上で必要となるISBNコード、JANコードなどが記載されます。表面に傷がつくことを防ぐために一般的にはPP加工が施されます。これとは別に、製本方法としての「ハードカバー」は上製本、「ソフトカバー」は並製本を意味します。
・そで(カバーのそで)
表紙を包むためのカバーの折り返し部分です。この部分に著者略歴等を載せることもあります。
・帯
販促のために、本のキャッチコピー、推薦の言葉などを記載して表紙カバーに巻きつけます。カバー同様人目を引く目的があります。
・天(あたま)
本を立てた場合、上の部分で各ページの最上部のことです。この部分を金色に塗ったものを「天金」、色染めをしたものを「天染め」といい、本を装飾することもあります。
・地(けした)
本を立てた場合、下の部分で各ページの最下部のことです。「天」の反対側。
・ノド
左右に見開いたページのうち中央の部分、製本の際に糊付けした内側の部分です。
ノドの空き具合は紙面の美しさや可読性につながります。
・背
綴じられた本のノド側の外(反対面)の部分で、小口の反対側。表紙・カバーの背の部分を「背表紙」といい、書店で並べた際に書名などがわかるように背表紙のカバーには本のタイトルや著者名などが記されます。
・小口
本の中身の背以外の断面のことを言います。小口は三方にありますが、一般的には背と反対側を小口といいます。上の小口を「天」、下の小口を「地または罫下」といいます。
・見返し
表紙と本文の間に、半分に折った紙の片側を表紙の裏に糊付けします。オモテ表紙と本文、ウラ表紙と本文の2カ所必要です。表紙と中身をつないで、見た目の良さや本の強度を増す役割があります。一般的には本文とは違う用紙を使用します。ソフトカバーには見返しは必ずしもありませんが、ハードカバーには必ず付けます。
・しおり(スピン)
本の背の上端に糊付けされ本の中に折り込まれるひも状のものです。必ずしも必要とは限りません。
⇒次回は、「②本に関する用語」