自費出版の基礎知識(2024年度版)その6/自費出版を取り扱う出版社について

自費出版の基礎知識(2024年度版) <もくじ>

Ⅲ.自費出版のおすすめ/ハーベスト出版の場合
  1. 自費出版のタイプ
  2. 「ハーベストブックス」について
  3. 自費出版物のできるまで・・・執筆から流通まで
Ⅳ.よくある問合せ(ハーベスト出版)
  • 制作費用はいくらかかるの?
  • ほんの少しの部数でいいんだけど?
  • 自分でwordで組版しましたが?
  • 制作期間は?データはどんな形式で入稿すればいいの?
  • 自費出版物を書店で販売したい?
  • どんなジャンルの本が得意?
  • 電子ブックをつくりたい
  • 電子書籍をつくりたい

Ⅱ.自費出版の本を販売する

5.自費出版を取り扱う出版社について

自費出版を取り扱う出版社は、文芸春秋社や幻冬舎などの大手総合出版社から、自費出版専門の出版社まで実に多くの出版社が存在します。ほとんどの出版社が応じてくれるといってもいいでしょう。

しかし、その専門分野、料金やサービスも様々で、著者にとってはどの出版社を選ぶべきかは迷ってしまいます。著者の予算、販売についての希望、原稿の執筆はどうか、などによって大手出版社を選ぶか、自費出版専門の出版社を選ぶか研究してみてください。

(1)大手出版社はノウハウ料、名義料が大きい

大手出版社の場合は、多くの書籍の編集に携わってきたベテランの編集者が、企画や校正の段階で原稿の査読や内容について意見を述べてくれることをうたっています。また、原稿の執筆に自信がない方のためにライターが代行してくれる場合もあります。内容によっては専門家によるリーガルチェックが必要な場合もあります。これらの場合には原稿づくりの段階で相当の費用(例えば印刷費別で200~300万円)が必要となります。担当編集者の専門分野や力量も出版社の選択によって違ってきます。大手出版社に委託した場合は、名義料も上乗せされますし印刷代金よりもむしろこちらの料金の方が大きくなることも多いです。

(2)小出版社は得意分野をよく見たほうがいい

これに比べて、自費出版を専門に扱う出版社や地方出版社の場合は、大手出版社ほどには名義料や編集料を要求しません。比較的安価にできることと、少ない流通量でも対応してくれる場合があります。

ただし、流通市場で自分の本がどれぐらい売れるかは、多くの場合著者が期待するほどには売れません。

大手出版社は、自社の企画出版物を刊行する際に専門家によって仕掛けられるさまざまな販売戦略、宣伝力や商品の完成度には大きな違いがあります。

小出版社は得意分野がまちまちなのでホームページや過去の出版物をよく調べたほうがいいでしょう。特定の学術系書籍に特化した出版社、絵本や文芸書・コミックなどの分野が得意な出版社、印刷会社が経営する出版社、編集のみを行う出版社、社員も一人から数十人の出版社。など、形態もいろいろです。

上記のような特定分野の書籍を出版するのでなければ、印刷や出版の経験が豊富で、担当者が親身になってくれる、ウマが合う、できればそこで本を作ったことのある方に聞いてみる、など情報を集めてから出版社を選ぶといいでしょう。単に表向きの値段だけで決めると、のちのちトラブルになって失敗することがよくあります。

(3)書店販売には期待するな

出版社と通常取引のある取次や書店では、出荷した本は一度は書棚に並べてもらえます。そのうち、売れ残った本は一定期間を過ぎると返本されます。まれに出荷した部数が全部売れて追加注文が来る場合もありますが、ほとんどは相当数が返本され、中には全部返本される場合もあったりします。作った本の販売で経費の元を取るのは、全くないとは言いませんが、”まず無理”だと思ってください。返本は、一度で回収されずに残った本が相当時間経過後に返されることもあり、販売ルートを複雑にすればするほど清算・回収が難しくなってきます。

ただし、上梓した後にマスコミやSNSで話題になったりすると予想を超えて売れるということもあり得ます。映画にもなった「納棺夫日記(おくりびと)」などは、もとは富山県の地方出版社から発行されて爆発的に売れたまれな例です。

ただ、とかく著者は過大に期待し、引き受けた出版社が楽観的な返答をしている場合には両者の間に問題が起こることがあります。

著者と出版社との間では上記のようなトラブルが時々取りざたされます。誇大な広告をせず、誠実な担当者で、事前によく相談に乗ってくれる出版社を選ぶことが最も大切なことです。

(4)著者の情報発信(口コミ・SNS・講演)が効果的

自費出版本を販売するには、なんといっても著者の行動力がものをいいます。出版社もある程度のことをしてくれますが、あまり宣伝費をかけるわけにはいきません。お金のかからない地道な努力が必要です。積極的なSNS投稿、Amazonなどへの口コミ投稿、新聞等への投稿、講演会の開催、知人等への手紙やメールなど、努力すればするだけ意外と効果を生むものです。