自費出版の基礎知識(2024年度版)その4/販売するための本の仕様について
自費出版の基礎知識(2024年度版) <もくじ>
Ⅲ.自費出版のおすすめ/ハーベスト出版の場合
Ⅳ.よくある問合せ(ハーベスト出版)
- 制作費用はいくらかかるの?
- ほんの少しの部数でいいんだけど?
- 自分でwordで組版しましたが?
- 制作期間は?データはどんな形式で入稿すればいいの?
- 自費出版物を書店で販売したい?
- どんなジャンルの本が得意?
- 電子ブックをつくりたい
- 電子書籍をつくりたい
Ⅱ.自費出版の本を販売する
3.販売するための本の仕様について
①サイズ
一般的な本のサイズは以下の通りです。これ以外の変形サイズのものもあります。
ハードカバーの場合は、表紙が本文より大きくなりますので、本のサイズはこれより少し大きくなります。
- A4判 297mm×210mm 図録,会社案内,記念誌,社内報,雑誌,カタログなど
- B5判 257mm×182mm 事典,技術書,教科書など
- 菊判 218mm×152mm 単行本,専門書,雑誌など
- A5判 210mm×148mm 学術書,専門書,教科書など
- 四六判 188mm×128mm 単行本,文芸書など
- B6判 182mm×128mm 単行本,文芸書など
- 新書判 179mm×105mm 新書本など
- 文庫(A6)判 148mm×105mm 文庫本など
②製本
書籍や単行本には、大きく分けて2種類の製本形式があります。
本文よりひとまわり大きな硬い材質の表紙にくるまれたハードカバー(上製本)と、柔らかい紙の表紙でくるまれたソフトカバー(並製本)です。中綴じ製本はふつう流通用の書籍には使われません。
本を制作する際、製本をどちらの方式にするかは、本の見た目や印象、価格などを決定するうえで大きなポイントとなります。
- ソフトカバー(並製本)
ソフトカバーは、本文と同じ大きさの厚手の柔らかい紙でくるまれた書籍です。ハードカバーより安価に作ることができます。耐久性は、ハードカバーの書籍に比べて劣ります。通常は無線綴じ方式による製本となります。
- ハードカバー(上製本)
厚手のボール紙を布や紙などで包んだ表紙が使われ、丈夫で長持ちします。また、表紙の大きさが本文用紙に比べてやや大きめになります。長期間保管する書籍や絵本等に向いています。
③用紙
用紙の選択は、本のデザインや読みやすさ、耐久性などに大きくかかわってきます。専門家の意見を聞きながら、本の内容と仕様に合わせた用紙を選択しましょう。
- 表紙
販売される本の表紙にはカバーを付けるケースが多いので、多くは単色で印刷されます。表紙には厚めの用紙を用います。コート135kg、上質135kg、アートポスト180kg、レザック175kg、ミューズコットン厚口など。
- 本文
モノクロ印刷の場合は、書籍用紙、上質紙が多く使われます。カラー印刷や写真をクリアーにしたい場合には、コート紙、マットコート紙が使われます。
- 見返し
表紙と本文の間に、半分に折った紙の片側を表紙の裏に糊付けします。オモテ表紙と本文、ウラ表紙と本文の2カ所必要です。表紙と中身をつないで、見た目の良さや本の強度を増す役割があります。一般的には本文とは違う用紙を使用します。ソフトカバーには見返しは必ずしも必要ありませんが、ハードカバーには必ず付けます。
用紙には色上質紙、ファンシー紙などがよく使われます。
- トビラ
本文の1ページ目などに入る、タイトルや著者名のページ、または本文途中に章の区切りとして入る別紙のこと。
用紙には色上質紙、ファンシー紙などがよく使われます。
④カバー
書籍の表紙の上にかけるおおい紙のことです。
カバーは、本体の保護のためと「本の見た目」を決定します。内容に沿ってよくデザインされたカバーは人目を引きつけます。
カバーには書名、著者名、出版社名、定価、流通上で必要となるISBNコード、JANコードなどが記載されます。表面に傷がつくことを防ぐために一般的にはPP加工が施されます。これとは別に、製本方法としての「ハードカバー」は上製本、「ソフトカバー」は並製本を意味します。
用紙には、カラー印刷されることが多いので。コート紙またはマットコート紙がよく使われます。
⑤帯
販促のために、本のキャッチコピー、推薦の言葉などを記載して表紙カバーに巻きつけます。カバー同様人目を引く目的があります。
用紙には、カバーと同じ用紙か、色上質紙、ファンシー紙などがよく使われます。
⑥しおり(スピン)
本の背の上端に糊付けされ本の中に折り込まれるひも状のものです。必ずしも必要とは限りません。
⑦売上スリップ(補充注文カード)
本に挟まれている短冊状の紙のことを言います。片面が「売上カード」、もう片面が「補充注文カード」です。売上カードは売り上げを管理するため、補充注文カードは出版社や取次に注文するために使われます。今は書店もデジタルで売上管理をしていますので、だんだん必要性がなくなってきています。
⑧ISBNコード
本の裏表紙に記された978で始まる13桁の数字のこと。国際標準図書番号(International Standard Book Number)といい、固有の書籍出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するユニークなコードのこと。日本の出版界では、国際標準ISBNに、日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加して、「日本図書コード」として標準化しています。
例えば、「ISBN978-4-123456-78-9 C3000 \2000E」となっていれば、その意味は次の通りです。
- 「ISBN978」:接頭記号
- 「4」:国記号
- 「123456」:出版社記号
- 「78」:書名記号
- 「9」:チェック数字
- 「C3000」:分類記号
- 「\2000E」:価格コード(税抜価格)
⑨JANコード
「日本図書コード」を2段一組のバーコードにシンボル化したものを「書籍JANコード」と言い、流通上の必要に応じて使用することができます。
例えば、1段目「978 123456789 C/D」、2段目「192 1234 45678 C/D」となっていれば、その意味は次の通りです。
- 1段目:「978」プレフィックス、「123456789」ISBN、「C/D」チェックデジット
- 2段目:「192」書籍JANの2段目を表わす国内用プレフィックス、「1234」図書分類、「45678」税抜本体価格、「C/D」チェックデジット
⑩その他
その他、「奥付」または「カバー」などに次の記載事項が必要となります。
- 書名
- 発行日
- 著者名
- 発行者名
- 発行所名
- 印刷所名・製本所名
- 定価
- copyright
- 著者略歴