自費出版の基礎知識(2023年度版)その2/本の流通について
自費出版の基礎知識(2023年度版) <もくじ>
Ⅲ.自費出版のおすすめ/ハーベスト出版の場合
Ⅳ.よくある問合せ(FAQ)
- 制作費用はいくらかかるの?
- ほんの少しの部数でいいんだけど?
- 自分でwordで組版しましたが?
- 制作期間は?データはどんな形式で入稿すればいいの?
- 自費出版物を書店で販売したい?
- どんなジャンルの本が得意?
- 電子ブックをつくりたい
- 電子書籍をつくりたい
Ⅱ.自費出版の本を販売する
1.本の流通について
自費出版(個人出版)で本を作り、それを販売するにはどうしたらいいでしょうか。
一般に、本を販売するには以下の方法があります。
- 書店で販売する
- ネット書店で販売する
- 自分で販売のためのECサイトを作る
- 著者自身が販売する
ここでは、「1」、「2」の書店、またはネット書店などの流通ルートで自費出版本を販売する方法をわかりやすく説明していきます。
書籍の流通には一般的に「取次」が介在します。「出版社」と「書店」との間に入って書籍の流通を担う流通業者のことで、本の問屋さんの役割を担っています。
書籍を本屋さんで販売するためには、書店からの注文、追加の注文、商品の発送、返品、代金の決済などのさまざまな取引が行われます。この作業は一つ一つの書籍ごとに行う必要がありますから、書店との取引は膨大な量になります。これを個人と書店とで個々に行うことはふつうできません。配本や返品の際にも書籍を個別に発送すれば送料も多くかかります。そこで出版社が発行する書籍を集めて、まとめて全国の書店さんに配本し、上記の注文、追加注文、商品の発送、返品、代金の決済などの取引を代わりに行ってくれる「問屋」が存在します。これが「取次」と呼ばれます。出版社は、本を発行した後の書店とのやりとりは取次に任せてしまうわけです。
出版社が取次に卸す場合の掛け率を「正味(書籍の売買における取次の仕入れ値)」といいます。通常30~40%前後が取次の取り分で、この中から取次と書店の割合を決めます。このほかにも配本や返本の際の送料についての取り決め(どちらが負担するか)があります。
アマゾン等のネット書店で販売する場合には、出版社が持っている「アマゾンe託販売」などの口座を使用します。「正味」は取次よりも低くなります(出版社側の取り分が少ない)。また、小口で注文が来ることが多いので送料負担(送付及び返品)が大きくなります。
このほかにも、著者と個別の書店との直接交渉で取引ができる場合がありますし、ネット書店の出品サービスが利用できる場合もあります。しかし意外と煩雑で手間がかかる割にはメリット(販売収入)が少ないことが多いです。
自費出版本の場合は、著者自身が流通手続きのすべてを行う場合(上記[3]、[4」)を別にして、この「出版社」をどこにするかを決めたほうがいいと思います。出版社が流通ルートへの手続きを代行してくれます。