古紙の話(その2:再生技術)

古紙の話(その2:再生技術)

 

古紙の相場

古紙の相場は、2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博を機に大きく上がりました。2000年ごろの値段とその10年後の万博後の値段とでは10倍ぐらいの価格になっています。

古紙は世界の景況によって左右され、とくに中国の経済動向が大きいのですが、最近では東南アジアの市場も注目されています。

 

古紙の再生技術

古紙には、雑誌類、新聞、段ボールの種類があります。このうち、印刷用紙として使われるのは雑誌類になります。

古紙の再生には、インクを取り除く脱墨技術と、異物を取り除く除塵という作業が必要になり、ここで大きなエネルギーを使うことになります。

異物には、ホッチキスや、製本のノリ、表紙のビニール類があります。そのほかにもさまざまな異物が混じっていますから、回収業者は回収した後、手作業で分別作業が必要になるので、これが結構大変な作業です。

ところが近年、これらの異物をまとめて処理できる画期的な技術が日本で開発されました。自治体や銀行などの機密書類は手作業での分別ができません。これを一括窯の中に入れて処理できます。処理に費用がかかるので何でもというわけにはいきませんが、分別の必要がないので便利です。

再生紙がまた古紙に回って再生されるわけですから、紙は二度三度と使われる率が非常に高い材料です。

どの程度確かかどうかはわかりませんが、日本の製紙会社の宣伝では、消費するパルプは原生林を伐採するのではなく、世界中で植林によって確保した分と古紙によってまかなっているといっています。

 

⇒次回は、「古紙の話(その3:再生紙使用(R)マークについて)