印刷の話(その8:表面加工について)
表面加工とは、印刷したあと印刷面にニスや光沢剤、PPフィルムなどで表面をコーティング加工をすることです。
1.PP加工
代表的なのはPP加工です。PPとは、ポリプロピレンを略した呼び名で、冊子の表紙またはパッケージ等に使用されます。PP加工を行うと、表面の耐久性が増してコスレ傷やヨゴレなどがつきにくくなります。また、コーティングによりつやが出るので高級感がでてきます。
PP加工には、主に「グロスPP」と「マットPP」とがあります。「グロスPP」は光沢があり、印刷面が華やかに見えます。「マットPP」は、艶消しなので印刷面が落ち着いた渋い印象になります。印刷物の種類によって適切なものを選びましょう。
PP加工には注意しなければいけない点がいくつかあります。
- 色味が変わる
印刷面にフィルムを貼るため、厳密には印刷物の色味が若干変わって見えます。とくに赤の濃度が上がったように見えます。通常はそこまで気にすることはありませんが、微妙な色合いを求める場合には試し刷りにPP貼りを貼った色校で色調を確認する必要があります。
- 薄い紙にはPP加工できない
薄い紙にPP加工をすると、反りやシワが発生しやすくなります。通常コート135kg以上の紙を使用します。
- 表面は筆記できない
PPフィルムの上からはボールペンなどで筆記することはほとんどできません。筆記する必要がある場合にはこの加工は避けた方がいいでしょう。
2.ニス加工
印刷物の表面にニスを塗布します。これもグロスニスとマットニスとがあります。ニス加工は印刷工程のなかで行います。ニス加工は、通常の印刷と同じように版を作成してニスを印刷すると、絵柄を表現したり、立体的なデザインの印刷物を作成することができ、変化のある表現が可能となります。ただ、PP加工よりは光沢やコーティング力、耐久性は劣ります。
*次回は、「その9/文字校正と色校正のはなし」