印刷の話(その3:オンデマンド印刷について)
オンデマンド印刷とは、「要求があり次第(オンデマンド)」に迅速に印刷する方法。大量に印刷する場合、オフセット印刷では「版」を作る必要があり、また試し刷りも必要であることから印刷物の完成まで時間がかかるが、版の製作が不要なデジタル印刷機が登場し現実のものとなった。本来は印刷技法を指す用語ではなく印刷のあり方をしめす用語であって、オフセット印刷であってもごく短納期・少部数であれば、オンデマンド印刷と称することもある。
デジタル印刷は米国ゼロックス社が開発したDocuTechがその市場を開発した。近年では、コニカミノルタが参入したのをはじめ、リコー、キヤノンも相次いで新製品を投入しており、複写機に次ぐ大きな市場として注目されている。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
オンデマンド印刷は高速のデジタル印刷機による印刷方式のことで、トナーを使用する電子写真方式や、専用インキを使用するインクジェット方式などがあります。近年では、オフセット印刷に見劣りしない品質や、機械の耐久性、オンデマンド方式の特長を生かした生産方法など、工夫が重ねられておもに小ロットの印刷物の製造に広く利用されています。
オンデマンド印刷の特長としては次のようなものがあげられます。
- 短納期
- 少部数、小ロット印刷に適している
- 品質的にオフセット印刷に近いものができる
- 大量部数ではオフセット印刷よりコスト高になる
- 画像や網点の再現性ではオフセット印刷に劣る部分がある
- 従来は黒インキのテカリが目立つ傾向があったが、近年は大分改善された
- トナーインキが剥がれやすいため長期または悪条件下(高温など)での保存には不向き
トナー方式
トナーと呼ばれる粉末状のインキをレーザーによる静電気で感光体(ドラム)に吹き付け、用紙に押し付けて印刷イメージを描く仕組みです。インキを熱で圧着させるので、印刷直後は用紙が温かくなっています。また、インキを乾かす時間がほとんど不要なので、短時間で次の工程に進めます。印刷の耐久性は、インクジェット方式に比べて高いといわれています。
インクジェット方式
専用のインキの入ったカートリッジからインキを用紙に直接吹き付けて画像を印刷します。
一般的にインクジェット方式は色の再現性が高いといわれています。高品質をうたった印刷機もあり、写真などの画像のクオリティを求める印刷物には向いています。トナー方式よりコストがかかるので、トナー方式とオフセット方式の中間のロットの印刷物に適しています。
*次回は、「その4/CMYKとRGB」