43年前のパソコンPC8001

43年前のパソコンPC8001(パソコンの黎明期)

 

「わ~懐かしい」もしくは「これなに?」、という声が聞こえてきそうです。

今から43年前の1979年に私物で購入した、NEC製PC8001を会社に展示しています。

当時はワープロも普及していない時代で、東芝の日本語ワープロが630万円で発表されたばかりでした。

業務用にということではなく興味本位で購入したものです。仕事に使えないかとBASICで簡単なプログラムを組んで諸計算の業務に挑戦してみましたが、なにしろメモリ(RAM)が16KBでROMも32KB、それにお粗末な外部記憶装置ではとても業務用には役に立ちません。

 

当時の印刷の技術はデジタル化の黎明期でしたが、ほとんどはアナログの手作業で行っていました。文字の組版は、写真植字機・タイプライター・活版が主流です。

それでも組版の電子化熱は活発で、専用システムの試行錯誤が続き、電算写植・電子組版機と呼ばれる様々なシステムが多くのメーカーから発表され、価格も一台が数百万円から数千万円という、今から考えるとびっくりするような高価なものでした。

マッキントッシュ(Macintosh)によるDTPが普及し始めたのは、それから何年も後のことです。アドビ社のポストスクリプト(postscript)、アルダスPageMaker、クオーク社QuarkXpressなどのソフトウェアが揃ってきて、さらにPhotoshopやIllustratorも発売されました。

印刷会社であるわが社の場合は、昭和59年(1984年)に電子組版機を導入し、平成6年(1994年)にやっと最初のマッキントッシュを導入しました。それでも地方の印刷業界では早いほうだったと思います。

インターネットがわが国で普及し始めたのが平成7年(1995年)です。次の年、平成8年になってから一気にブームが起こりました。まだ通信回線も電話の回線か良くてISDNですから、ブラウザでホームページを閲覧するのにもずいぶん時間がかかります。

 

ところで冒頭のNEC製PC8001の話に戻ります。発売時の仕様は以下の通りです。

メーカー:NEC

製品名:PC8001

発売:1979年

販売価格:168,000円

CPU:4MHz

RAM:16KB

ROM:32KB

プログラミング言語:BASIC

記憶装置:カセットレコーダー(外付)

 

このほか外付けでドットインパクトプリンタ、後になって3インチ(5インチだったかな)のフロッピディスクも付けられるようになりました。

発売当時としては168,000円という価格は破格の安い値段でした。その上位機種のPC

8801やPC9801はとても個人では手を出せるような値段ではありません。後年、業務用で購入したPC9801のポータブルタイプは70万円ぐらいだったと記憶しています。

 

あなたの今使っているパソコンの仕様を考えてみてください。43年間でメモリは1000×1000倍ですね?内蔵または外付のHDDやSSDはもっと差があります。インターネットは普及が始まってから28年。インターネットのある社会なんて普通の庶民にとっては考えも及びませんでした。

数十年の間にはデバイスがこれだけ進化しています。中身のコンテンツは事実上使えなくなります。電子書籍も便利ですが、そのことを考えても読書はやっぱり紙の本に限る。