本を読む小学生・中学生は増加している

本を読む小学生・中学生は増加している

小学生・中学生の本を読む冊数は増加しています。

全国学校図書館協議会の調査によると、2022年の5月1か月の平均読書冊数は、小学生が13.2冊、中学生が4.7冊、高校生が1.6冊となっています。
資料のある1992年から2022年までの動きをみると、全体の傾向として小・中・高生が読んだ本の数は年々増加しています。ちなみに30年前の調査では、小学生6.5冊、中学生2.1冊、高校生1.3冊ですから、小中学生については、30年前の2倍以上も本が読まれているということになります。


いっぽうで、1か月間にまったく本を読まない不読者の割合は、2022年は小学生が6.4%、中学生が18.6%、高校生が51.1%です。年齢が上がるにしたがって本を読まなくなっていますね。

今回の調査項目は以下の5項目。対象は全国の小学生(4~6年生)・中学生(1~3年生)・高校生(1~3年生)の抽出調査で、それぞれ4,000~5,000人を対象としています。
 問1:5月1か月間に読んだ本の冊数
 問2:5月1か月間に読んだ雑誌の冊数
 問3:タブレットやパソコンなどを使った学習の際の意識
 問4:電子書籍の読書経験
 問5:今の学年になってから読んだ本の名まえ

1か月間(5月)の平均読書冊数(冊)
  1992年 2002年 2012年 2022年
小学生 6.5 7.5 10.5  13.2
中学生 2.1 2.5   4.2 4.7
高校生 1.3 1.5   1.6 1.6

 

不読者(0冊回答者)の推移(%)
  1992年 2002年 2012年 2022年
小学生 11.7 8.9 4.5 6.4
中学生 45.8 32.8 16.4 18.6
高校生 59.6 56.0 53.2 51.1

とくに小学生の読書冊数は、年々増加しており今回の調査でも過去31年間で最高の値となっています。
不読者については、全体としては割合が下降傾向にありますが、今回調査では小中ともに増加しています。

なお、今回の調査では、「電子書籍で読んだ本の冊数」についても尋ねています。小学生1.0冊、中学生0.7冊、高校生0.4冊となっています。
「電子書籍の読書経験があるか」という問いに対しては、「ある」と答えたのは小学生36.6%、中学生52.8%、高校生61.0% となっており、年々上昇してはいるものの大幅な上昇とはなっていません。


文科省が推進する「GIGAスクール構想」で、2021年から小中学校では一人一台ずつパソコンやタブレット端末が配布されています。しかし依然として紙の本のほうが読みやすい、頭に入りやすいという声もあり、意外とよく読まれているという実態がわかります。

(参考)全国学校図書館協議会 第67回学校読書調査(2022年)