心のリフレッシュ・臨床美術

心のリフレッシュ・臨床美術

 

グラフィックデザイナーは、印刷物や看板類のデザインをする仕事です。当社のグラフィックデザイナーも、日常はパンフレットや出版物等のデザインを担当しています。しかし、デザイナーにもこんな全く違う分野の活躍の道があるのかと驚かされました。

弊社のデザイナーの一人が、休日を利用して京都の大学が主催する講座に通い、臨床美術士の資格を取得しました。それまで私は臨床美術士という資格があることを知りませんでしたが、ほうそれなら試しに、ということで社内で講座を開催したところ、家族での参加もあり、意外に楽しいもので大いに好評を得ました。

日本臨床美術協会のホームページによると、「臨床美術(クリニカルアート)とは、絵やオブジェなどの作品を楽しみながら作ることによって、脳を活性化させ、高齢者の介護予防や認知症の予防・症状改善、働く人のストレス緩和、子どもの感性教育などに効果が期待できる芸術療法(アートセラピー)のひとつ」とあります。

弊社ではその後も何度か社内講座を開き、筆者も毎回参加しています。

講師の指導に従って、絵を描いたり、造形を作成したりします。初めは自分の芸術的素養のなさを嘆いて恥ずかしさが先行しますが、実はうまい下手はあまり関係なく、誰でもそれなりの作品ができあがります。講座に熱中する1時間半のあいだ、普段使ったことのない脳の右側部分が刺激され、左脳が軽くなった気がして気分がすっきりします。以来、そのデザイナーは臨床美術士として企業や団体に頼まれると、ときどき社外でも講座を開いているようです。

企業でストレスを抱える社員が増えていると聞きます。カウンセリングや心理講座、宗教講話など、様々な角度から提供される方法がありますが、こんな心のリフレッシュのしかたもあるということをご紹介しました。

なお、出来上がった作品は、島根大学医学部付属病院の市民ギャラリーや、県民会館ギャラリーでの展示も行い、一般の皆様にもご覧いただきました

(2018年松江ロータリークラブ週報掲載分再掲)